2002年2月号/カネコアツシ 先生

カネコアツシ先生はおおひなたごう先生からのご紹介です

 山形県出身。筆ペンを使った独特な画風で、活動の場もマンガ雑誌に限らず音楽雑誌やジャケットデザイン、イラストなど多方面で活躍中。昨年はGLAYの2001年コンサートツアー「GLAY EXPO2001」のパンフレットで描き下ろしマンガを執筆。現在は「月刊コミックビーム」(エンターブレイン)で『BAMBi』の番外編として新連載『BAMBi alternative』を執筆中。

     

誕生日
12月26日
血液型
B型
最近ハマっていること
BAMBiのフィギュアが発売されたので溺愛してます。   
最近気になる作家やマンガ
    ERIC STANTONという、50年代のアメリカのイラストレーター      
愛用画材
ZEBRAの筆ペン

筆ペンで描いているなんてめずらしいですね

 ただの市販の筆ペンなんですけどね。マンガ家になってしばらくはミリペンで描いていて、筆ペンはベタ用に使っていたんですけど、あるイラストに使ったらなんとなくタッチがイイ感じだったんでこれで描くようになったんです。タッチについてはいつのまにか技術がついてきたって感じです。

描写がアメリカンコミックのような感じですが・・・

 そうですね。とくにアメリカとか行って勉強したわけじゃないんですけど、もともと洋書を集めるのが好きなので、いろいろ立ち読みしたり買ったりして見てました。アメリカンコミックそのものは割ともう形が定まってきているんで新鮮味が感じられないんですけど、イラストレーションの方はいろんな技法があったりするんで勉強になります。

子供の頃はマンガをよく読んでたんですか?

 普通の子供ぐらいには読んでましたけど、どちらかというとマンガより映画とかに興味があったので、映画をよく観てました。映画は小学生の頃から好きで、中学の時に音楽や映画に興味を持ちはじめて、親に「映画を観に行く」と言ったらおこづかいをくれたので映画は観ほうだいでしたね。出身は山形県の酒田市なんですが、田舎町のわりには良い映画館があって、二本立てだったので目的の映画以外にもう一本予想してなかった映画も観れたのでジャンルの幅が広がってよかったです。

絵の勉強とかは・・・?

 小学生の時にマンガ家のまねごとみたいな事はしてましたけど、自分はすごくマンガが好きってわけじゃなかったんで、マンガの勉強ってちゃんとしたことがないんです。でも、絵を描くことは好きだったんで、小さいときからいろんな絵を描いて、高校の頃は油絵っぽい絵を描いたり、イラストレーションっぽい絵も描いたりしてたんですが、美術部に入って・・・とか専門的な教育を受けたことは一度もないですね。

マンガよりもイラストみたいなものが多かったんですね

 絵は趣味で描いていたんですけど、大学時代はバンドをやってて、その時はずっと音楽をやるもんだと思ってたんです。でも、自分にその才能がないとわかって断念したんですけど・・・・・で、まわりの友達がバンド関係の人達が多かったんでチラシづくりとか頼まれまして、もともと絵を描くのは好きだったから、ニーズに応えてイラストとか描いてました。

マンガ家になろうと決めたのは?

 大学卒業のときに、卒業見込みがおりなくて就職活動ができなかったんですよ。それで、どうしようかなと思ってたら、ふっと、もともと映画が大好きでお話を創るのが好きだったんで、それで絵も描けると考えたときに、「じゃあ、マンガを描いてみようかな」ってことになったんです。で、みんなが就職活動しているときに、ひとりで頑張って描いてスピリッツの新人賞に投稿したんですけど、卒業間際にその発表があって佳作に入賞したんです。これで、もしかしたらイケるかな?と思って、そのまま就職しないでアルバイトしながら持ち込みするようになりました。

本格的にマンガを描くことになったんですね

 その後、編集者との相性もあると思っていろんな所に持ち込みして、24歳の時に、今はもう廃刊になってるんですが、ワニブックスの「コミックジャングル」でデビューしました。でも、本当は映画をやりたかったんですよ。だから、こんな形でマンガ家になってしまったんで、いろいろ悩んだり葛藤があったりとか気持ち的にフラフラしちゃったんですよね。それで、こんなんじゃいかんということで、27歳の時に一度マンガをやめてしまったんです。で、映画の学校に通ってカメラからシナリオから制作に関することをいろいろ勉強したんですけど、まぁ、大体解ったということでやめて、またマンガの方に戻ってきたんです。

映画の勉強は何か参考になりましたか?

 映画の学校で学んだことはマンガの方ではあんまり身になってないですね。映画の勉強をすることによって、作品を描くうえでの自分の意識は変わってきましたけど、ストーリーの構成とか技術として学んだことは前から知ってたことばかりだったので・・・

同人誌とかアシスタントとかの経験は?

 もともと大学を卒業するときに就職のつもりでマンガ家をはじめたので、同人誌とかはつくったことないです。アシスタントもちゃんとした道具を使ったことがないんで、多分やっても役に立たないんじゃないかな。今の作品は全部一人で描いてるんですけど、枠線以外は全部筆で描いてるので一日に描く量が決まっちゃって、5〜6頁が限界で手が疲れてくるとタッチにすぐ出ちゃうんですよ。

好きな作家とかは・・・

 丸尾末広さんや大友克洋さんとか好きでしたね。彼らのマンガを見てこういう新しいのがあるのかと思って、こういう自由な表現ができるんだったら、べつに音楽でもマンガでも映画でもなんでもいいんじゃないかって思いました。

今までに苦労したことは・・・?

 最初の連載の時とか、いつ食いっぱぐれるかわからないので心配でしたそれにアクが強い分デビューして認められるまでが長くてだいぶ苦労しました。普通のモノを描けと編集者によく言われましたよ。でも、普通のモノを描いていたんじゃ、マンガ家としている意味がないと思うんですよ。誰でも描けるものを描いていたら代えがいるわけで、自分が描く意味がないじゃないですか。だから、マンガだからマンガっぽいものを描こうなんて思わないで、自分がイラストが好きだったら、その好きなものをぶつけていけばいいと思うんですけど、その辺がなかなか難しいですね。

作品にたいして考えていることとかは・・・

 「これが描きたい」といったような統一してるテーマとかはないんですけど、気になったものとか、吸い込んでる空気みたいなものが感じられるモノが描けるといいですね。その時代で自分が感じ取ってるモノから普遍的なものを見出して描けるようになれたら・・・と思います。新人の時の一番失敗しがちな事で、一話の中に自分の持ってる要素をみんな伝えようと、なんでもやってしまうという失敗を何度も繰り返してきたんで、捨てて捨てて一番大切なところだけ、セリフも貴重なものしか使わないというような捨てる作業にも気を使ってます。物語というのはイコール省略だと思うんですよ。どこを削ってどこを隠してというのが個性であると思うんで、あまり人がやらない形の削り方をいかに大胆に一番大事な所を美しく外すか、それによって読者に想像力の働く余地を与えるようにしています。あと、難解な物語でも、表面的なストーリーは解りやすくしなくてはいけませんね。

これからの抱負は・・・?

 今連載している「BAMBi」が終了したので、その番外編を出してみようと思ってます。今までのストーリーの流れを別のキャラクターの視点から見たものを毎回描いていこうかなと・・・そのために本編の方をわざと虫食いにしてあるんですよ。

最後に漫画家を目指す読者へ一言アドバイスをお願いします!

 まだ誰もやっていない事を探して下さい。まだ沢山あると思います。

ありがとうございました。お友達の漫画家さんをご紹介下さい。

 コミックビームやモーニングで活躍している、上野顕太郎さんを紹介します。


  カネコアツシ先生の最新情報  

 月刊コミックビーム2002年2月号から「BAMBi alternative」スタート!