2011年3月号/荻野眞弓先生
紙媒体としての最終号を飾るインタビューは、山田J太先生のご紹介で荻野眞弓先生の訪問です。 高校卒業後、農協に務めるも漫画を諦めることができずに、学生になって漫画家になるという異色の経歴を持つ先生です。 多くの漫画家がストーリー漫画家を目指す中、4コマ漫画というジャンルに魅せられてプロデビュー。4コマ漫画は奥が深いと日々試行錯誤をし、面白い漫画を作ることに情熱をかけている想いを聞けたインタビューでした。
▼ご出身は…?
埼玉県の戸田市です。▼小さいときから漫画を読んで…?
はい、両親が漫画好きでしたので、家には植田まさし先生の『かりあげくん』や『コボちゃん』があったので自然に読んでいました。特に園山俊二先生の『花の係長』が大好きで単行本も集めてました。…私は漫画以外にも短歌も好きだったので、きっとシンプルな短い表現の中に意味や想いが詰まったものが好きだったのでしょうね。だから4コマ漫画は自然と抵抗無く漫画には触れていました。▼漫画も描いていた…?
そうですね、小学生の頃にはもう描いていたと思います。ただ4コマだけというわけでもなく、ストーリー漫画も結構読んで描いていましたけどね。印象的なのは矢口高雄先生の『おらが村』という作品です。読むと他の作品と空気がまるで違うんです。画面の中に“本物だっ!”と思えるような、青空とか雪がちゃんと描かれてあるんです。だからそのような漫画を描いてみたいなとは思っていましたね。今でも大好きですよ。▼高校時代はどんな生活を?
私が高校生の頃って、今よりももっと4コマ漫画が人気で、4コマだけの雑誌が沢山出版されていたんですよ。その中で、なぜか『みこすり半劇場』が大好きで、岩谷テンホーさんの凄さに衝撃を受けていました。“4コマはこういうことまで描いていいのか!4コマ漫画ってすごい!”って思いましたね。さらにはまってしまったと言う感じです。高校の頃から同人誌活動もしてましたので、コミケにも参加して、4コマを中心にストーリー漫画なんかも描いていましたね。▼その頃から将来は漫画家になりたいなと…?
最初は将来は漫画家になるとかそうはまったく考えてなかったんですけど、高校卒業して、農協に務めていた時、1年経ってみて、机に座って仕事をしているのに“好きな漫画がぜんぜん描けないのは何事か”と思いまして、思い切って会社を辞め、日本大学の芸術学部を受けて学生になったんです。前号の山田先生とはその時からの仲なのですが、山田先生からも刺激を受け、やはり“漫画家になりたい!”って思ってきたんでしょうね。▼在学中に投稿を…?
エッチなネタといいますか、そういうのは割と好きでしたので、『みこすり半劇場』に投稿をしました。そしたら編集部から連絡があって、連載の枠をもらえたんです。20歳の時でしたね。…後日談ですが、当時、女子大生がH系の4コマ雑誌に投稿をしてくるなんて、非常に希なケースだったらしくて、編集部で興味本位もあったらしいですよ…。それで編集者がついたみたいです。▼そのままプロに…?
大学に入り教職のコースも取っていましたからとりあえずは卒業はしようということで、在学しながらも漫画の仕事を続けていましたね。大学を卒業してからは、家が酒屋をやっていたので、手伝いをしながら細々と漫画の仕事を続けていましたが、お陰さまで漫画のほうで仕事が増え軌道に乗ってきたので、漫画一本に絞って漫画家として地に足をつけようとなった感じです。…念願の漫画家になり、初めての単行本が出た時は、嬉しくて嬉しくて本屋に数冊まとめて買いまくり、近所の人に配ったりしたのを覚えています。それが25歳の時ですね。▼作品制作で気を使うところは?
「ブレないこと」ですかね。読んでいて楽しく、そして正誤性をはっきり出すようにすることでしょうか。…4コマ漫画って文字通り4コマしかないじゃないですか?よく「起承転結」なんていわれますけども、私の場合、起(導入)と結(オチ)の部分は、割りかしまとめられるので、つなぎの部分である2コマ目がポイントだと思っているんです。そこの部分が分かりやすく「流れ」としてブレてなければ、面白い物ができると思っています。▼4コマは奥が深いですよね?
そうなんですよ、でもそれでいて、強烈なイメージを与えられる漫画だと思うんです。4コマという限られたコマ数の中で、次も読みたいと思わせるような作品作りの難しさ、それはパズルを組み立てるが如くどうしたらいいか…、まずは色々なアイデアをだしてピースを埋めていくような感じでしょうか…もちろん、アイデアの出し方としたら斬新さも求められるとは思いますが、温故知新でもあるかなと思います。昔の先輩たちの4コマを見ていると、テンポと言うか流し方と言うか、学ぶ点は非常に多いことがありますね。▼キャラなどはすぐに出てくるほうですか?
そうですね、身近なところから拾ってきてキャラにしていることが多いのですが、私は結婚して子どもを出産したので、独身時と比べて違った経験もでき、色々な人と接する機会が増えてきたので、とてもキャラつくりの参考に役立っているみたいですね。周りのみんながユニークな人ばかりなので楽しいですよ。▼キャラを作るときに気をつけていることは?
作画については、元々絵柄が安定しているほうではないので、全部と言いたいところですが、私のキャラは胸が大きいのですが、それは飾りであって、それよりもお尻とか足とかを描くのに気を使っています。そこでアピールしたいんです。また構図とかにも注意したいというのが本音ですね。▼今後描いてみたいものは?
3歳と0歳の子どもがいるのですが、子ども達が楽しく読んでくれるような作品が描けたらいいなって思っています。また全然関係のないテーマの「3題噺」を上手く描けたらとも思っているのですが、それがとても難しいんです。だから「2題噺」までの話をまとめられたらいいんじゃないかなって研究しています。…もう若さと勢いで描ける状態でもないので、ストーリー性が高い4コマ漫画なんかも多く描いていけたらよいですね。▼漫画家を目指す人にメッセージをお願いします。
同じ漫画好きとして、面白い漫画がたくさん読めることを期待しています!





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